「エネルギー理工学設計演習・実験2」別冊

4−1 この継ぎ手は何だ?

1998.09.25

keywords: joint, quick coupling, JIS, B8365, B2290, flange, conflat, gauge port, VCR, Swagelok, tee, elbow, cross, nipple, bellows, metal hose


 実験室でみかける様々な真空配管用の継手を示します。全てではありませんが、大抵の用途にはこれらで間に合うと思います。それぞれの写真の尺度は異なっていますので、注意して下さい。実際の大きさや個々の詳細については、リンクされたページを参照して下さい。

JISフランジ、ISOフランジ

 高真空までの領域で広く用いられている配管用フランジで、通常はOリングでシールします。最近のJISの改訂によって呼称が落ち着いていませんが、このページでは従来の型をJISフランジ、改訂後のISO準拠のものをISOフランジと呼びます。

コンフラットフランジ

 超高真空領域で広く用いられている配管用フランジで、銅ガスケットを塑性変形させてシールします。JISフランジに較べてボルト数が多く、フランジが分厚いので、シール面を見なくても判別できます。Varian 社の商品名ですが、一般的な呼称として定着しています。

クランプ継手

 高真空までの領域で使用できる小口径配管用フランジで、Oリングでシールします。JISフランジやISOフランジよりも口径の小さい配管向きで、粗引き系や補助ポンプ系、測定子取付部によく用いられています。 Leybold-Heraeus 社が開発した規格ですが、現在ではISOやJISで規定されています。

ゲージポート

 真空計測定子を接続するための継手の総称です。定まった規格が無く、いくつかのメーカーから市販されています。写真のものはOリングでシールするタイプです。

VCR

 CAJON社の商品名で、高圧から超高真空までの領域で使用できるため、ガス供給系によく用いられます。

Swagelok

 Crawford Fitting 社の商品名で、高圧から高真空までの領域で使用できます。VCRと同様にガス供給系に用いられます。VCRに較べて安価ですがシール性は劣ります。

ホース継手

 真空ゴムホースを差し込むための小口径継手で、中真空までの領域で使用されます。かつて、油回転ポンプによる粗引き系や補助ポンプ系に多用されていましたが、最近はクランプ継手に替わられつつあります。

管用ねじ

 写真には示していませんが、水道用配管の継手として用いられている規格ねじです。シール状のテープを雄ねじ巻くと適度な気密性が得られるため、低〜中真空領域の配管継手として使用することができます。

おまけ: 継手部品呼称

 接続口の数が3(ティー)や4(クロス)、あるいは直角に曲がった管(エルボ)などが継手の部品として各社から市販されていますので、ほぼ共通した呼称を示しておきます。メーカーによっては製造していなかったり、これ以外にも製造している部品がありますので、購入の際にはカタログで調べたり問い合わせたりした方がよいでしょう。


このページは、高木郁二が担当している京都大学工学部物理工学科の講義・実験を補う資料として作成したものです。ご意見・お問い合わせはこちらまでお願いします。