研究内容
当研究室では,放射性廃棄物、廃炉工学、材料、化学をキーワードに,物理化学をベースとした研究を展開しています。下記に主要な研究テーマを示します。
原発事故廃棄物の処理処分
福島事故によって発生した燃料デブリの取り出し、処分に向けては、燃料デブリの物性や挙動を明らかにすることが不可欠です。そこで、ウランを含む模擬デブリを高温合成し、最先端の物性評価を行うとともに、地下水との反応を調べています。これにより、燃料デブリの処分を見据えた合理的な処理法の提案、数万年にわたるより安全で信頼性の高い処分方策を確立できると考えています。
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高レベル放射性廃棄物の処分
高レベル放射性廃棄物を酸素の無い地下深くに埋設する地層処分では、地下での放射性物質の非常に遅い状態変化を予測し、遠い将来の人間や環境の被ばく線量を見積もる必要があります。複雑な地下水場での核種挙動を熱力学的観点で記述するため、特殊な地下環境を模擬するラボや深地層の研究所で実験と解析を積み重ねています。
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アクチノイド固体・液体の多様な分光研究
上記の知見をより確かなものにするには、模擬デブリや廃棄物を構成する固体・液体のミクロスコピックな化学構造やその状態変化を明らかにすることが重要です。SPring-8やJRR-3など学外大型施設で最先端の分光装置を活用した分析実験を推進し、核種の自然界での複雑な振る舞いのモデル化を目指しています。
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医療分野への挑戦
治療や診断に放射性物質を活用した最先端の医療分野では、核種を含む薬剤の安定性確保や、その生体標的への有効性の評価が必要です。本研究室では基礎的な観点から、モデル物質の開発やその生体内での安定性評価等に挑戦しています。
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