京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻
核材料工学研究室


プラズマ誘起透過(PDP)
プラズマ-壁相互作用とは?
 金属中を水素が拡散・透過することは150年も前から知られていました。水素をプラズマにすると、桁違いに透過しやすくなることが30年ほど前に見つかりました。これをプラズマ誘起透過と言います。通常の水素は分子ですから、金属中を拡散するためには表面で解離して原子になる必要があります。解離は起こりにくい過程なので、水素ガスはそれほど簡単に金属中を透過しません。ところが、プラズマでは水素は解離していますから、抵抗なく金属中に侵入できます。このために多量の水素が透過してしまうのです。
 核融合炉の燃料であるトリチウムは水素と同じように拡散・透過しますから、プラズマ誘起透過が起こると外部に漏洩するかもしれません。私たちの研究室では、透過量を定量的に予測するための基礎研究を行っています。

→水素透過の歴史はこちら



通常の水素ガス透過(上)とプラズマ誘起透過(下)の過程

再結合
水素原子の反射現象
水素原子プローブの開発


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